結論:Pulsar Gaming Gearsのキーボードで迷ったら、PCMK 3 HE TKL(26,480円・税込/JIS・ANSI両配列)を選びましょう。ラピッドトリガーを0.01mm刻みで詰められる磁気スイッチ、8,000Hzポーリング、35Kスキャンレートという競技向けの数値を揃えながら、日本語配列のテンキーレスという「普段使いでも困らない形」に収めた全部入り王者です。もっと小さくしてマウスの可動域を稼ぎたいならPCMK 3HE 60(23,980円)、ラピトリは不要で打鍵感と価格を取るならCherry MX2A赤軸のXBOARD MS(17,490円)が、それぞれの正解になります。
Pulsar Gaming Gearsは、軽量マウス「Xlite」シリーズで名前を広げた韓国のゲーミングデバイスブランドです。キーボードではPCMKシリーズで一気に存在感を出し、いまや磁気式(ホールエフェクト)モデルを世代ごとに作り替える勢いのあるメーカーになりました。ここでは現行ラインナップを、あなたの使い方から逆算して選べるように整理していきます。
Pulsar Gaming Gearsのキーボードの選び方
Pulsarのキーボードは大きく「磁気式(ホールエフェクト)のPCMK/eSシリーズ」と「メカニカルのXBOARDシリーズ」の2系統に分かれます。この分岐を最初に決めてしまえば、残りはサイズと配列の話に収束します。
ラピッドトリガーが要るかどうかで系統を決める
キーを戻した瞬間に入力がオフになるラピッドトリガーは、VALORANTやApex Legendsのようにストッピングを多用するタイトルで効きます。これが欲しいなら磁気式のPCMKシリーズかeS HE 70、必要ないなら素直にメカニカルのXBOARD MSです。XBOARD MSはCherry MX2A赤軸を積んだ正統派で、作動点は2.0mm固定、ラピッドトリガー機能は搭載していません。逆に言えば、タイピング主体の人が磁気式の浅い作動点に振り回される心配もありません。
配列は「JISが選べるか」で候補が絞られる
Pulsarの強みは、海外ブランドでありながらJIS日本語配列を正面から用意している点です。PCMK 3 HE TKLは91キーのJISと87キーのANSI、PCMK 3HE 60はJIS 65キーとANSI 61キー、XBOARD MSはJIS 92キーに加えてANSI・ISOも選べます。一方でeS HE 70はANSI英語配列のみなので、変換・無変換キーやかなキーを前提に運用している人は候補から外れます。US ANSI配列に抵抗がなければ、eS HE 70は構造的にもっとも作りの良い選択肢です。
アクチュエーション調整の細かさとスキャンレートを見る
磁気式を買うなら、作動点をどこまで細かく動かせるかが世代差そのものです。旧世代のPCMK 2HE TKLは0.1mm刻み、現行の3HE世代はラピッドトリガーを0.01mm単位で設定でき、スキャンレートも4Kから35Kへ、レイテンシは1.25msから0.1msへと刷新されました。eS HE 70はラピッドトリガー0.05mm刻みで、調整幅よりも本体のLCDとノブで設定を完結できる操作性に振っています。ポーリングレートは現行モデルはいずれも8,000Hz対応なので、ここは差になりません。
打鍵音の好みとキーキャップ交換の制約も先に確認する
標準のGateron×Pulsar磁気スイッチは初期押下圧30±7gf・ストローク4.1±0.2mmで、沈み込みの深いしっとりした打鍵です。これに対してプロ選手コラボのSomething版はGravity S PROスイッチで40±5gf・ストローク3.5±0.1mm。浅く、重く、静かな方向で、底打ちの硬さを嫌う人には一度使うと戻れない感触になります。なお、キーキャップの自作交換を前提にするなら注意が必要です。JISモデルの最下段はキーサイズと配置が特殊で、市販の交換用キーキャップセットではスペースバー周辺が合わないことが多く、見た目のカスタムを優先するならANSI配列の方が自由度は高くなります。
Pulsar Gaming Gearsおすすめキーボード6機種を徹底比較
PCMK 3 HE TKL|26,480円で全部入り、迷ったときの本命TKL
2026年1月末に登場した現行フラッグシップのテンキーレスです。Gateron×Pulsar磁気スイッチ(初期押下圧30±7gf、ストローク4.1±0.2mm、耐久1.5億回)を積み、作動点は0.01〜4.0mmの範囲で調整可能。35Kスキャンレート、8,000Hzポーリング、0.1msレイテンシ、9基のマルチMCU構成という構成で、競技用途に必要な数値はひと通り上限に張り付いています。サイズは355×127×37mm・963gで、PBT二色成形キーキャップとアルミ合金プレート+透明ボディの組み合わせ。設定はインストール不要のWebドライバ「Bibimbap」から日本語で触れます。
メリットは、JIS 91キーとANSI 87キーの両方が用意されていて、ラピトリ性能とキー配列の妥協点を探さずに済むことです。N極・S極どちらの磁気スイッチにも対応するホットスワップなので、将来スイッチを変える余地も残ります。デメリットは2点。ファンクション列まで備えたTKLゆえに横幅355mmを机に要求するため、ローセンシでマウスを大きく振る人には窮屈に感じられます。もう1点は価格で、磁気式の入門価格帯より明確に上です。性能に対しては妥当ですが、ラピトリを使わない人がここに出す必要はありません。
PCMK 3HE 60|23,980円、机を空けたいFPS勢の最短ルート
同じ3HE世代の中身を60%サイズに詰めたモデルで、JIS 65キー/ANSI 61キー、296×106×39mm・706gというコンパクトさが武器です。ラピッドトリガーは0.01mm刻み、作動点調整は0.1〜4.0mm、スキャンレート35K、ポーリング8,000Hz。PBT二色成形キーキャップとアルミ合金プレート+透明ボディもフラッグシップと共通で、価格はTKLより2,500円安く収まります。
メリットは、マウスの可動域を最大化しながら磁気式の最新性能を落とさないこと。706gという軽さは、キーボードを斜めに置いて運用するFPSスタイルとも相性が良いです。デメリットはファンクションキーと矢印キーが独立していない点で、ExcelのF2やブラウザのF5、ゲーム内チャットでのカーソル移動をレイヤー切り替えで賄う必要があります。仕事と兼用する1台にするなら、この操作を許容できるかが分かれ目です。
PCMK 3 HE TKL Something|27,980円、浅くて静かな打鍵が欲しい人のプロ仕様
VALORANTのプロ選手somethingとのコラボモデルで、標準版との差額は1,500円。違いはスイッチで、専用開発のGravity S PRO(初期押下圧40±5gf、ストローク3.5±0.1mm、耐久1億回)を搭載し、選手のプロファイルプリセットとコラボデザインが付きます。筐体サイズやラピトリ0.01mm、8Kポーリングといった基礎性能は標準版と同じです。
メリットは、浅いストロークと静かな打鍵音という、長時間プレイで疲れにくい方向のチューニング。底まで打ち切る癖がある人には、3.5mmの浅さと40gfの戻りが効きます。デメリットは、これが上位互換ではないことです。耐久回数は標準版の1.5億回に対して1億回、ストロークも浅いので、深く沈む打鍵感が好きな人には物足りません。差額分の価値は「好みが合うかどうか」に全振りされていると考えてください。
eS HE 70|28,980円、LCDとノブで本体完結するアルミ削り出しの最上位
Pulsarが競技向けに投入した70%サイズのキーボードで、79キーのANSI英語配列。Raesha磁気スイッチ(初期押下圧28±10gf、最大55±10gf、ストローク4.0±0.3mm)を採用し、作動点は0.05〜4.0mmで調整、ラピッドトリガーは0.05mm刻み、SOCD対応のクイックタップも備えます。311×124×45mm・967gというサイズに対して重量があるのは、CNC削り出しのアルミボディとデュアルシリコンのダンピング構造によるものです。本体右上のLCDディスプレイとコントロールノブで作動点・ラピトリ・マクロを直接いじれるため、PCにソフトを入れずに設定を詰められます。
メリットは筐体の質感と打鍵音の完成度で、PBT二色成形キーキャップとアルミケースの組み合わせはPulsarの中でも頭ひとつ抜けています。4つのオンボードプロファイルを持つので、持ち運んで別PCで使う運用にも強いです。デメリットは配列とサイズの制約。ANSI配列のみでJISは選べず、70%サイズは右側の配置がやや独特なため、JIS配列から移る人は慣れが必要です。価格もPulsarのキーボードでは最上位になります。
XBOARD MS|17,490円、Cherry MX2A赤軸を積んだ一番手堅い入門機
磁気式ではなくメカニカルの本流を行くモデルで、Cherry MX2A REDスイッチ(初期押下圧45cN、プリトラベル2.0mm、総ストローク4.0mm、耐久1億回)を搭載したJIS 92キーのテンキーレスです。三重吸音構造のガスケットマウント、PBT二色成形キーキャップ、着脱式のUSB-Cパラコードケーブル、音量・LED操作用ノブ、オフィス/ゲーム切り替えボタンまで入って17,490円。スキャンレート35K・ポーリング8,000Hz・レイテンシ0.16msという速度面の作り込みも、この価格帯としては過剰なほどです。3ピン/5ピンのMXスイッチに対応するホットスワップで、スイッチプラーと予備スイッチ3個も同梱されます。
メリットは、打鍵感・静音性・カスタム性・価格のバランスが崩れていないこと。ガスケットマウントのおかげで安価なゲーミングキーボードにありがちな甲高い反響音が抑えられ、仕事場でも使えるトーンに収まります。デメリットはラピッドトリガー非搭載で作動点が2.0mm固定という点で、ストッピング精度を詰めたい競技志向の人には物足りません。ANSI・ISO配列も同価格で選べるので、配列の自由度は高めです。
PCMK 2HE TKL|参考・型落ち、安く磁気式を試すなら
3HE世代の前モデルで、JIS 91キーのテンキーレス。Gateron×Pulsar磁気スイッチ(30±7gf、ストローク4.1±0.2mm)、作動点0.1〜4.0mmの調整、8,000Hzポーリング、アルミ合金プレート+透明ボディ、PBT昇華印字キーキャップという構成です。公式直販価格は23,980円ですが、実売は2万円前後まで落ちており、磁気式ラピトリの入口としては今も通用する内容です。
メリットは価格とJIS配列の組み合わせ。デメリットは2つあり、1つは性能差で、作動点の調整が0.1mm刻み・スキャンレート4K・レイテンシ1.25msと、0.01mm刻み/35K/0.1msの3HE世代とは数値がはっきり違います。もう1つは入手性です。公式直販のJIS版は完売しており、流通している在庫から選ぶ形になるため、カラーや配列の希望が通らないことが珍しくありません。これから長く使う1台として買うなら、素直に後継のPCMK 3 HE TKLか、サイズ重視ならPCMK 3HE 60を選んでおくほうが後悔が少ないはずです。
Pulsar Gaming Gearsキーボード全モデル比較表
| モデル | 価格(税込・公式直販) | スイッチ方式 | 配列・キー数 | フォームファクタ | 作動点調整/ラピトリ |
| PCMK 3 HE TKL | 26,480円 | 磁気式(Gateron×Pulsar/30±7gf) | JIS 91キー/ANSI 87キー | テンキーレス(355×127×37mm・963g) | 0.01〜4.0mm/0.01mm刻み |
| PCMK 3HE 60 | 23,980円 | 磁気式(Gateron×Pulsar/30±7gf) | JIS 65キー/ANSI 61キー | 60%(296×106×39mm・706g) | 0.1〜4.0mm/0.01mm刻み |
| PCMK 3 HE TKL Something | 27,980円 | 磁気式(Gravity S PRO/40±5gf・3.5mm) | JIS 91キー | テンキーレス(355×127×37mm) | 0.01〜4.0mm/0.01mm刻み |
| eS HE 70 | 28,980円 | 磁気式(Raesha/28±10gf) | ANSI 79キーのみ | 70%(311×124×45mm・967g) | 0.05〜4.0mm/0.05mm刻み |
| XBOARD MS | 17,490円 | メカニカル(Cherry MX2A RED/45cN・ホットスワップ) | JIS 92キー/ANSI・ISOも選択可 | テンキーレス | 2.0mm固定/非対応 |
| PCMK 2HE TKL(型落ち) | 23,980円(実売2万円前後) | 磁気式(Gateron×Pulsar/30±7gf) | JIS 91キー(ANSI版あり) | テンキーレス | 0.1〜4.0mm/0.1mm刻み |
よくある質問
ラピッドトリガーは本当に必要ですか?
ストッピングやしゃがみ連打のように、同じキーを短い間隔で押し直す操作が勝敗に関わるタイトルをやっているなら効果を体感できます。逆に、MMOやシングルプレイ、仕事での長文入力が主体なら、ラピトリよりも打鍵感と静音性にお金を使ったほうが満足度が高くなります。その場合はXBOARD MSが素直な答えです。
日本語配列(JIS)を選べるのはどのモデルですか?
PCMK 3 HE TKL(91キー)、PCMK 3HE 60(65キー)、PCMK 3 HE TKL Something、PCMK 2HE TKL、XBOARD MS(92キー)がJIS配列に対応します。eS HE 70はANSI英語配列のみです。かな入力や変換・無変換キーを多用するなら、JISが用意されているモデルから選びましょう。
設定用ソフトのインストールは必要ですか?
PCMKシリーズとXBOARD MSは、Webブラウザベースのドライバ「Bibimbap」で設定します。インストール不要で日本語表示にも対応しており、Chrome・Edge・Operaの比較的新しいバージョンが必要です。eS HE 70は本体のLCDとノブだけで作動点やラピトリを変更できるため、ソフトを開かずに詰められるのが利点です。
キーキャップは市販品に交換できますか?
MX互換のキーキャップが基本的に使えます。ただしJISモデルの最下段はキーサイズと配置が特殊で、市販の交換キャップセットだとスペースバーとその隣のキーが合わないことが多い点に注意してください。見た目のカスタムを最優先するなら、ANSI配列のモデルを選んだほうが選択肢が広がります。
ほかにPulsarのメカニカルキーボードはありますか?
2台のPCを切り替えられるKVM機能とQMK/VIA対応を備えた上位メカニカル「XBOARD QS」(公式直販39,800円、CNCアルミ筐体・ガスケットマウント・Kailh Box Ice Mint V2リニア搭載)もあります。ただし販売店によって流通価格の差が大きいので、メカニカルで1台目を選ぶならXBOARD MSから検討するのが無難です。なお、正規販売店で購入した製品は2年保証と30日間の返品に対応しています。
まとめ
用途別に整理すると、答えは3つに絞れます。ゲームも仕事も1台でこなす総合枠はPCMK 3 HE TKL(26,480円)、マウスの可動域を最優先するFPS枠はPCMK 3HE 60(23,980円)、ラピトリを使わず打鍵感と価格を取るコスパ枠はXBOARD MS(17,490円)です。打鍵が浅く静かなほうが好みならSomething版、ANSI配列が苦でなく質感に投資したいならeS HE 70という横道もありますが、どちらも「好みがはっきりしている人向け」の選択です。
迷ったらPCMK 3 HE TKLで間違いありません。JIS配列で、ラピトリは0.01mm刻み、8,000Hzポーリングと35Kスキャンレートまで載って26,480円。Pulsarのキーボードを1台だけ選ぶなら、ここが最も外しにくい着地点です。

